前日のびしょびしょの雨とうってかわって、朝から快晴になった10キロマラソン大会当日、アドレナリン全開、交感神経最大?パワーで挑戦した。
最初の3キロは下り坂、参加選手全員フルスロットルで飛ばす。
「都バスで飛ばすぜい」というテレビ番組がある。
都バスならいざ知らず、こちとらは、生身の人間、折り返しが気になり、あるいは日頃のケチ癖がでたかスロットル全開にできない。
案の定、折り返しから後半3分1の長い登りが始まった。きついっ!
沿道には時折、かつては絶世の美女だったろうと思われる現地のおばあちゃん達が「頑張って〜」と黄色い声で応援してくれている。
これが現地の可愛らしい女子高生や大学生だったら元気回復100%なんだが、といつもは思うのだが、ゼイゼイ息を切らして走るポンコツ自動車にはそんなことを考える余裕もない。
最近の若い女性のランニングファッションは、山ガール同様、華やかで可愛らしい。
どうせ見かけ倒しだろうと見くびってはいけない!
今にもエンストするかもしれないポンコツ自動車の横を最新型の自動車が追い抜いて行く。
そのおしりにしがみついていこうと不埒な妄想が頭をよぎりもしない。
汗が額から吹き出る。
「またまた脱水症?」、そんな不安が頭に浮かぶ。
そういえば、開会式の時に早めの水分補給をと誰かが言っていたっけ。
テレビで見る高速ランナーの水分補給は格好がいい。
走りながら、給水所でさっと自分の用意したドリンクが入ったコップを取り、走りながら飲む。
これが結構難しい。
給水所でカップをとるがそこでこぼれる。飲む時も息を止めて飲むのが苦しいし、体が揺れるのでそこでまたこぼれる。
素人同様のアマチュアランナーは給水所では止まって飲むのがよろしい。
決してテレビで出てくるセミプロの高速ランナーの真似をしてはいけない。
かくしてほとんどの水をこぼし、なけなしの水をゼイゼイいいながら飲むはめになる。
今度のコースはゴール寸前がかなりの坂になる。
「負けるか〜還暦パワーを見ろ〜!」と歩き始めた他のランナーをゴボウ抜き。
これを世間では、年寄りの冷や水という、なんてことを思う余裕も当然になくゴールへ飛び込んだ。
タイムは1時間6分43秒。
今回はゴール後のダウンはない。後3キロくらいは走れそうな気持ち。
後から考えると、あれがランナーズハイというものかと合点する。
もちろん、1時間後にはダウン寸前だったのは云うまでもない。
かくしてポンコツ自動車の挑戦は続く…