2012年4月25日水曜日

阿鼻叫喚の町

旧東急文化会館が渋谷ヒカリエとしてオープンするそうだ。
昔は、文化と娯楽の殿堂として位置づけ運営していたそうだが、時代に合わなくなったということで閉鎖してリニューアルとなったということ。
また、渋谷は坂が多いので、1日10万人が歩行するであろう直結する自由通路を建設した。

このニュースを見て、「ああ、これでまた渋谷が活性化し、経済がよくなるなぁ」と単純に喜ぶのは、単純すぎるし、あまりにお粗末。
もし、そうだとしたら文化程度は50年前とは進歩していないということか。

この種の建設施設は、自分だけが文化の発信施設で、自分だけが良ければいいという発想でしかない。もちろん公にはそうは言わないが。
第一、自由通路を作り、駅から直結させるなどは、その典型!
結局、素通りされるお店はシャッター街となり、すたれる。
坂が多いというのは自然の地形なのだから、そこで生きることは、自然に調和するということ、反して生きるのは問題だ。楽すれば、体は不健康になる。
駅から、まるで掃除機のように、乗客を吸い込み、自分の施設に吸引する。
他の施設も手をこまねいてはいないだろう。
そうなると、駅から施設ごとにまるでタコの足のように吸引パイプが伸びる。

一つの施設だけで、あるいは運営者、経営者だけの発想でビルが建てられる。
まわりは、けばけばしい広告があふれ、おおきな巨大スクリーンが発狂している。
ヨーロッパの町並みとは大違い!
阿鼻叫喚の町だ。

それを許容する役所は、法律が許せば何もできない。法律は、議会議員が作る。
あるいは、中央政界が作る。
彼らには文化の期待をすることはできない。
住んでいる住人は、ビルの谷間で高い税金を払い、あるいは、日陰のマンションの一室にひっそりと住み、「都心に住んでいるのよ」との一点のみのプライドを糧に日々を生きている。
町をどうするかなどは眼中にはない。

かくして、阿鼻叫喚の町は進化拡大していく。
まるでコンピューターウィルスがじわじわとはびこるように!