2013年9月23日月曜日

谷根千

日頃何かと話題に登る谷根千に出掛けた。
谷根千とは、谷中、根津、千駄木辺りの地域を総称して言うらしい。
先ずは谷中からスタートしてみる。
日暮里駅を北口改札から西口へ出ると既にぞろぞろと町歩きの人々がたぶん同じ方向だろう向きへ歩いている。
ついて行くとやはりそうだ。
「夕焼けだんだん」から谷中銀座の商店街がよく見える。レトロな商店街はいつ来ても賑わっているように見える。
回りに寺社が多いせいかマンションなどの高い建物がない。
そのせいかレトロな町並みが余計に際立つ。
不思議な事に有名建築家やゼネコンが街を開発すればするほど、作られた町は魅力が無くなる。
体脂肪率を気にしつつ谷中コロッケを食べてみる。
やはり、身体に悪いといわれる脂など、多ければ多い程、美味しいのが未だに止められない所以だ。
かき氷で有名なひみつ堂を過ぎてしばらく行くと江戸時代に作られたという辻塀に出る。
根津神社に向かって歩き、程よい疲れが出た所で乱歩という名の、これでやっているのだろうかと思われるような不思議な喫茶店で一休み。
根津神社は、たまたま例大祭をやっていて縁日の屋台や神輿が繰り出して賑やかだった。
締めは、有名蕎麦店の鷹匠の蕎麦に日本酒。
これにて一件落着といきたいが帰りがある。
疲れた足にアルコールのだるさが加わり朦朧として、しかし、もと来た道をとぼとぼと戻る。
途中、あれがヒマヤラ杉と言われても酩酊した初老の眼中にもうは入らない。
入るのは、沢山の猫に会えると大いに期待して来たのに日中の暑さと恐らく御彼岸の墓参りであろう人混みばかりで、肝心の猫にはほとんど会えず頬を膨らますばかりの我が連れ合いの横顔だけだ。
「機嫌が悪い猫のしっぽを踏むほど愚かな事はない。」などと思いつつ、そっと、そして静かに帰りの途についたのは長年の生きる知恵であるのは云うまでもない。
三丁目の夕陽の世界は、猫に出会わなくても、しかし再訪問の価値ある街である。
「また、一緒に来ようよ!」と不意に口走ってしまったのは決してアルコールのせいではない。