もし、原発建設を一切やめ、その費用で太陽光発電設備を各家庭に無償で配布し、そこから得られる電力を原発の代わりに使うとするとどうなるのか。
どのくらいの原子力発電所があるのか:
2009年12月末現在、商業用の原子力発電所は54機、合計出力4884.7万kW(キロワット)が運転しているということです(電気事業連合会のホームページより)。
仮に原発の発電量を火力発電所で代替する場合、どの程度の費用がかかるのかという試算がある。
北陸電力の2000年9月28日付けプレスリリース「敦賀火力発電所2号機(70万kW)の運転開始について」によると、敦賀火力発電所の1号機(出力50万kW)の建設費が約1500億円、2号機(出力70万kW)が1275億円と記されている。
出力が高くなると建設費も高くなると云うわけでもないようだが、仮に中間の60万Kwの火力発電所を件セルするとなるとコストは、1388億円と仮定される。
全ての原発を火力発電所の置き換える:
そうなると、2009年末では、54機、合計4885万Kwあるのだから、4885/60=82 であり、82機の火力発電所が必要となり、その建設コストは、1388億円×82=11兆3816億円となる。
全ての原発を太陽光発電設備に置き換える:
それでは、全ての原発を家庭用の太陽光発電設備に置き換えるとどうなるか。
一台の家庭用太陽光発電設備は、3kWから4kWの発電能力があり、コストは、165万~240万くらいであろう。
そうなると、コストは、1630万個の屋根に設置し、((4885×10の4乗kW)÷3)×240万円=約40兆円と試算される。
ただし、単純にいかないのは、太陽光発電は、昼間のみ利用可能。また、発電も100%にはならない点に注意が必要だ。
しかしながら、夜間の電力需要は昼間の半分であり、昼間の発電量の10%でも太陽光発電で補うことができれば、原発は減らせるのは容易に推測できる。
1630万の屋根以上に設置することができ、かつ発電効率がさらにアップすれば更に削減が可能となろう。
また、風力発電などの他の自然エネルギーも加えることも可能であり、要は政策側のやる気があるかどうかということだろうと思わざるを得ない。