といっても、まだ数日ある。
しかし、世の中はもう大晦日の様だ。
テレビでは、年末番組を放映し、街は年末セールでごった返している。
世の中は、デフレである。家飲みが多いとのことであるが、街の立ち飲み屋だけは夜になると混雑している。
駅では、タクシーが閑そうに長蛇の列。それでも企業や個人は、やっていけるのかと思うほどである。
生物多様性の時代である。すべては因果応報、原因と結果。オオカミが害獣だと殺せば、被害を受けていたエゾシカが増え過ぎ、世界遺産を台無しにする。
物価が安ければ、それを販売する企業の収益は減る。従業員はリストラだ。リストラされればタクシーだって使わないだろう。
首都圏を便利にすれば、企業は集中するし人も集中する。
そうすれば、地方は不便になり、企業は減り、人も減る。
巡るめく輪廻の世界。
しかし、これは今に始まったことではないだろう。
地方を活性化させたければ都市を不便にすればいい。
エゾシカが増えすぎてこまるならオオカミを絶滅させなければいい。
要は、陰陽のバランスの問題だ。
今の世の中は、東洋医学的な視点からすれば病的である。バランスが極端に悪い。
既に遅いかもしれないが、不治の病にならない前にバランスを取り戻すことが必要である。
来年も同じ調子なのか、あるいはバランスを取り戻すことができるのか。
我が祖国には、後者であって欲しいと願う年末である。