2010年10月14日木曜日

蓼科山山行-7合目ルート-

例の、でこぼこコンビ、次の山行はどこがいいかな~と思っていたら、「蓼科山と丹沢の大山どっちがいい?」とメール受信。
「丹沢はヒルがいるから微妙」と返信したので即刻、蓼科山に決定、でかけることになった。
中高年にもなると朝早いのは得意である。早朝6時の集合にも遅れることはない。
案の定、2人とも時間ぴったしで集合し、意気揚々と車で出発。
昨日までの雨とは違い、今日は快晴、「いやぁ~、我々は晴れ男だね、日ごろの行いもいいし!」などと思うのも納得の快晴なのである。



蓼科山は、7合目まで車で行けるので残り3合ほどを山歩きである。だから比較的労力は少なくて済む。
出会いの車も少ないので、これは人気がないか、早すぎたかななどと思いながら7合目付近の駐車場に着く。
「なんじゃこりゃ、駐車スペースがないじゃないか」、相方がいうのも無理はない。
8時30分の駐車場は満車状態であり、あちらこちらの車からは中高年の、さわやかな賑わいが聞こえる。
中高年の朝が早いという事実に今更ながら驚きつつ、ようやくスペースを見つけ、駐車できた頃には、他のパーティは準備を終え、山歩きに出発する。

8時40分、ようやく我々も出発、とりあえず将軍平をめざし、登山口の鳥居をくぐる。
登山道路は悪くないが岩が多いので、途中の馬返しあたりから次第に歩きづらくなる。
この時期は紅葉は始まったばかりだが、それでも一歩一歩登るにつれ、そこかしこに黄色く色づいた木々の葉が見られる。
「赤く色づいた紅葉を見ないと気分がでないなぁ~」などと自然の悪口をいってはいけない。
ごろごろの石ころに気をつけ、始まったばかりの紅葉をほんの少し味わいながら歩いて行くと槍穂高が見える標高に到着する。
品行方正な中高年であれば、そのとき彼方には穂高連峰の山々が見えるであろうが不良中年には雲が邪魔をして見えない。
「あの雲、邪魔なんだよな~見えやしないよ」、クレームが多い相方である。
品行方正な中高年は忍耐強い。「待てば海路の日和ありだよ、ちょっと待とうよ」、案の定、雲が切れ、ほんの少しの間だが槍ヶ岳が顔を出してくれた。
「さぁ、先を急ごう」、中高年はせっかちでもある。見るもの見たらさっさと次の高みをめざす。

将軍平には、蓼科山荘という山小屋がある。
そばなどの食事はできるが水場はない。前の広場から見上げると蓼科山が見える。
得意の眼力を発揮すると、はるか上方は石ころだらけというのが分かるはずである。
全体を俯瞰するならば、少なくとも将軍平からみると穏やかな丸い山に映るのだが。

「さぁ、出かけましょうか!」 相方はせっかちである。
とぼとぼと山道を更に登る。蓼科山荘には、「頂上まで30分」が消されて、40分に直されていた。
「ふふ、30分でいってやろうじゃないか。だいいち、地図には30分って書いてある」 疑り深いと後悔することになるのだがここではまだ気づかない。
「おいおい、まだかな頂上は!」 大岩ごろごろの山道に苦戦しながら早くも愚痴が出る。
「おじちゃん、お先に~」とは言わないが、若い子連れが元気に傍らを登ってくる。
子連れ登山者に紛れ、ふうふう言いながら登っていると、早くも下山してくる中高年のご婦人から、「お孫さんですか? すごいですねぇ、こんな大変な山に登ってきて」。
おいおい、確かに孫がいてもいい年齢だが、自分は、精神年齢は、まだ30台だと思っている。
そんな身には、ぐさりとくる言葉である。

結局、頂上には、40分かかってしまった。「あのゴロゴロ石のせいで40分もかかった」 決して自分の間違いを肯定しない、負けず嫌いなのである。
頂上には蓼科山頂ヒュッテがある。そこでウィンドブレーカーを着て寒さを防ぐ。
頂上の標識は、ほんの少し、ヒュッテから行ったところにあるが、ごろごろ石がじゃまをする。
頂上は強風である。割と広い頂上で360度の展望。そのせいで風のある日は飛ばされるほどの強風となる。
頂上と200メータ位行った所にある方位盤の中間に蓼科神社があるので、そこは素直に安全登山を感謝し、下山の無事もついでに祈る。
ついでに、家内安全、無病息災、一攫千金などと欲張ってはいけない。
山頂の神社に対しては素直さが大事である。素直に安全登山を感謝しよう。


方位盤に着くと、「あれが浅間山、あの奥が剣岳かな、穂高、北岳、富士山、金峰山・・・」次から次へ山の名前が出てくる。頼もしい相方である。
寒さに震えながら、ずうずうしくも寒さに凍える中高年単独山行の男性に記念写真をとってもらう。
しばらくして、強風と寒さで身体が震える頃に下山を開始する。

下山は、ごろごろ石には、やはり注意が必要だが、上りと違い遠くの山々、蓼科の湖などを見ながらの下山である。
用心深く、しかし風景を楽しみながらの下山となる。

「なんだか暑くなってこないか?」、そのように思えてくるともうじき将軍平である。
将軍平に到着し漸くのランチとなる。おにぎりをほおばり、相方の持参してくれたカップラーメンに舌鼓を打つ。
ありがたい、身体が温まる。あたたかい相方でもある。

帰りは、白樺湖近在のすずらんの湯に浸り、しばし疲れを取り、元気よく帰途につく・・・筈だった。

2人とも3連休の最後の日の高速道路だということをすっかり忘れてしまっていた。
「さようなら~」、運気が背中から抜けていくのが感じられた。
上信越道18km渋滞、関越道30km渋滞と電光掲示板が冷たく知らせる。

午後3時過ぎに出て、自宅についたのは午後8時30分、登山の疲れより車の疲れの方が勝ったのは私だけではないだろう。
予定通り、午後5時か6時頃につけば、今頃は居酒屋で一杯の筈なのに、「今日は、おつかれさんのビールはなしですね」、相方のむなしい言葉が胃に響く。

汗だくの登山、そして白濁温泉、湯上がりのビール、この3つがそろわないと達成感は、味わえない。
「しょうがない、次回に持ち越しだ」・・・2人の山行は、こうして、やむをえず続くのである。