娘が自宅に帰って居間に入るや、自分の父親のコトを臭い、臭いって言う。
そんなことを言われているような話を他人事で聞いていて、うちの娘にはそういうコトは内だろうと思っていた。
現実に、我が娘が言い出し始めると、父親としてはちょっと哀しい。
しかし、それは生物学上、当然に起こりうることで、遺伝子の関係でそうなるということである。
自分に一番近い遺伝子を持っていると、遺伝的に問題が発生する場合が出てくる。
そんなわけで、健康な子孫を残そう、という生物学的な本能が、「親父は臭い」と謂わせしめているようだ。
「いちばん近いところにいる親しい異性の遺伝子を遠ざけて、自分とは違う異性の遺伝子を探しはじめるという本能」。
自分の娘も、いい伴侶を見つけて、健康な子孫を生む為の本能のスイッチが入ったと謂うことか。
悲しいような、うれしいような複雑な気持ちである。
「遠ざける必要がなくなったら、またお父さんが臭くてウザイ存在ではなくなって元に戻るそうだ」、それまで我慢か。
父親の悲しい時期である。